シニチロさんのA8o検証
シニチロさんのケーススタディがおもしろかったので俺なりに検証してみる。
■初見印象
snowie解析はfold100%。c/rは-EVなので純粋戦略になっている。
37handsなので他プレイヤの情報がないとしてもA8oをスナップfoldできるかと言われると正直難しい。俺もついポジションcallしてしまいそうだ(←これが自分のリーク)
こんな感じで自分のリークを可視化するのにAIツールは役に立つ
■検証
①UTGのレンジを仮定する
試しにシニチロさんに「自分がUTGからミニレイズするとしたらAとキッカーいくつから打ちます?」と聞いてみたところ、色々考慮してAJ+とのこと。ではそれを元にUTGのレンジを想定してみると、このようになった。
上位10%ハンド、UTGのopenレンジとしてはまぁ妥当な線だ。
(俺のUTGミニレイズレンジには投機も含まれているが今は置いとく)
ただ相手がこのレンジと仮定した場合、HUでもA8oの勝率は30%ぐらいだろう。(計算したら35%だった)これにSBかBBのどちらかがcallして3wayになるとさらに20%ぐらいまで落ちる。ポジションがあるとは言え、勝率20~35%でポットを取るにはかなりのスキル差が求められる。相手が初心者やfishだったら楽に勝てるだろうが、同等か格上だとかなり厳しい。
②callする場合
・3betを打たれるリスクがある
SB,BBが降りてくれたりcallであればフロップまで行ける(勝率は30%前後)が、Axや22+を持ったBBが3wayを嫌って700に3betしてくると非常に面倒くさい。
UTGがcall:自分より強いレンジのUTGがコールした時点で負け確定なのでfold一択
UTGがfold:結局詰んでる。fold一択
・詰んでる理由
「自分より強いレンジのUTG」に対し3betを打てたBBはさらに強いレンジということになる。そんな奴とHUする時点で超不利、というのが1点目。
さらにBBは700を出すと残り1,000しかなく、ポットも1,650になるのでフロップは何が落ちても100%aiになる。つまりプリフロのBBの3betはイコールaiなので、aiコールする覚悟がないまま700をcallしては大損する、というのが2点目だ。
・SB,BBが降りた場合
BTNでcallしてSB,BBが降りてくれたら一番最高な状況だ。それでも勝率は35%しかないが。
しかしUTGが中級以上であれば「BTNがミニレイズに3betしなかった」ことで、ある程度どういうハンドなのか、特定できてしまっている。
なのでこちらが勝ってる場合は逃げられ、負けてる時に限ってcallしてくるだろう。超不利。
・A8oで強いUTGに勝つためには?
極論だが、8が落ちてA~Tがなければ勝てる。つまり852rとかA83rみたいなボードであれば勝てるが、流石にこれを期待するのは夢見すぎだろう。
現実はQT8ccとかJ44hhなどで難しい選択を迫られ、A94rでcallしたらキッカー負けで事故る、といった感じだ。
つまり、この状況でUTGのミニレイズをcallしてポットを取るためには
・SB,BBが3betしない
・フロップが、8ハイボード、A8x、88x、8ありのペアボード、765などのOESDボード、
の時しかないのである。
実際はこんな都合の良いフロップは出てこないので、UTGのCBに苦しみながらfoldすることになりがち。なら小銭とはいえ無駄にcallしなくて良いよね、というのがfold推奨の理由だろう。
ただしこれらは「UTGのレンジをAJ+の上位10%」と想定した場合なので、ルースなUTG(投機寄り40%)だったらまた話は変わる。
なのでまず一番大事なのはUTGのレンジを仮定することだが、今回の場合は37handsなので相手のレンジを特定できていない段階だと思う。なので一般的なUTG openレンジ(上位10%)と仮定してみると、A8oでは超不利なのでsnowieはfold100%を指示しているのだと思う。
(でも俺もBTN:A8oでcallしてしまうなー。で、UTGにCB打たれて苦しみながらfoldするんだと思う)
③3betする場合
まずレンジ的にUTGの方が強いので、降ろす3betをしなければならない。バリューではない。
となると、700~1,000のブラフ3betを打つことになるが、4betされたらこちらも降りれなくなる。いわゆる「降りれないブラフ(超悪手)」になってしまうので、A8oで3betはやめた方が良い、という結論になる。
■まとめ
・UTGのopenレンジをAJ+と仮定すると、A8oではcallしてもレイズしても損になる→なのでfold推奨
・UTGがルース(投機寄り40%)レンジであれば、A8oでcallしても勝てるかもしれない
→なのでまずはUTGのopenレンジを仮定することから始める
考え方としては
「BTNでA8o」ではなく、「UTGのopenレンジに対しA8oは何通りに勝てそうか」を考えると良い。
■アドバンス検証
A8oではコールも3betも厳しい、ということになったが、ではどういうハンドがコール(又はレイズ)に適しているかを考える
①同状況でコールに適しているハンド
強めの投機ハンド:A2s+、65s+、33+、など。
3wayになっても問題なく、ポットが大きくないのでリバーまで少額で見に行ける
→UTGが3bb以上でopenしてくるとポットが大きくなるのでリバーまで行く費用が高くなりドロー側はしんどい。
ミニレイズはドローハンド側が有利になるので、それを利用する。
②ブラフ3betに適しているハンド
弱めの投機ハンド:any suited、32o+、4ギャッパ以上のゴミハンド
降ろすのが目的。4betされたら即降りできるようにレイズ額は2/3potぐらいに留める。(UTGのopen200に対し3bet:500程度)
降りてくれればラッキー、コールされてもワンチャン、4betされたら即降り。フロップはラッキー2ペア、フラドロ、OESDになったら勝負しても良い。それ以外は即降り。